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人、動物、進化の過程

犬猫は人より弱い!?




ペットケアを語る上で無視できないのが、製造者、販売者や、飼育者の大きな錯覚です。
誤解を恐れずにはっきり言えばそれらは無知から来る誤解なのです。


①例えば、犬猫は体全体が被毛で覆われているために、体毛がほとんど退化して皮膚が剥き出しになっている人間よりなんとなく強いというイメージ。

②例えば、犬猫は人間より野生動物に近いため、多少不潔な食べ物を食べても大丈夫というイメージ。



もし貴方がペットに対してこういうイメージをお持ちだとするならば、大きな間違いで或ことを知らねばなりません。

今回は上記の①と②に関してお話します。







①人と犬の皮膚構造はこうちがう



皮膚の構造を見てみると、大きく分けて外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で出来ていますが、犬たちは豊かな被毛で覆われてはいますが、実は皮膚(表皮)そのものの厚さは人間の5分の1程度しか無いのです。

表皮の一番外側は「角質細胞層」というものであり、これが紫外線や乾燥や雑菌などから体を守っているわけですが、表皮の薄い犬たちは人に比べてダメージに対してずっと弱く、トラブルを起こしやすいのです。


ヒト(ホモサピエンス)はサル属から進化発展されたと言われていますが、進化の過程で体毛がほとんど無くなったのは数十万年数百万年も大昔の出来事なのです。

そしてその長い過程において皮膚そのものの構造(ガード能力)が進化したのは明白であり、被毛が無くても耐えられる構造となっていったわけです。




一方の犬猫は未だ被毛のある動物ですし、被毛が体の一番外側のガードゾーンであるわけですから、皮膚剥き出しの人間よりも皮膚が弱いのは当然といえます。

だから我々は、この人と犬猫の構造の違いをシャンプーなど体の清掃などの際にしっかりと把握しておく必要があります。



◆皮膚のターンオーバー

人も動物も皮膚は一定の周期で新しく生まれ変わっています。
表皮の一番下にある基底層で作られた細胞は、成長に伴って徐々に皮膚の表面へと押し上げられていき、表皮の一番外側にある角質層まで移動すると、フケとなってはがれ落ちていきます。

この過程をターンオーバー(新陳代謝)といいます。
通常、人の皮膚ターンオーバーは28日サイクルですが、犬の場合は約20日。
脂漏症などの犬では、ターンオーバーが5~10日と極端に短くなっていることもあります。




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上記の図を見ていただくと分かりやすいのですが、犬は人と比べてこの構造がはるかに薄いと思っていただいて間違いないでしょう。

そしてさらに前述したようにターンオーバーの周期が人と比べて極端に短い。
これが犬のシャンプーの適切な周期が2週間から一ヶ月と言われている事と密接に関係しているわけです。


早い話が頻繁に洗浄剤を使ったシャンプーをすると、ガードゾーンが構築されないまま肌が剥き出しで、様々な外的脅威に無防備にさらされるからなのです。

またシャンプーと皮膚科学、皮膚常在菌(必要有用菌)の重要な話があるのですが、また機会を設けて詳しくお話させていただきます。









②人は雑食、犬は肉食+アルファ



犬は基本的に人間と同じ下記図の三大栄養素を必要とする動物ですが、人間より遥かに肉食(高タンパク、高脂肪)の比率が高く、食事のバランスは人間と全く違ったものになります。

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そしてさらに、いまでは常識となっていますが、塩分や糖分の分解能力は人より遥かに低いので、人用の味付けを施したものは禁物ですので絶対に与えないようにしましょう。

そして単純に栄養バランスの話だけではなく、刺激物や、低レベル毒物、雑菌等の経口摂取を考えても、人間はやはり何十万年前、いや何百万年も遥か昔から犬猫属よりも多くの物を経口摂取してきた歴史があり、そういった意味でもそれ等のものに対する耐性が備わっているわけです。







今回はこれ以上詳しい解説は避けますが、概念としては下記の言葉を忘れないようにして飼育にあたって頂きたいものです。




   犬猫の肌やお腹は人間の赤ちゃんよりデリケート




いかがでしょう。


使ってよいもの、いけないもの。
与えてよいもの、いけないもの。
やっていいこと、いけないこと。


これらを考えるキーワードとして、私はあえて申し上げます。
こう考えておけば大筋において判断を誤らない指針となると思われます。





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