ようやく時間が取れてPCの前に座ることが出来まして、書きたいことは山ほどあるのですが、今回はまず私の日々の活動内容を少しお知らせしておきます。
ボディケアの要点
犬や猫などのペットを家庭内で飼育する際に様々な生活用品が必要なわけですが、とりわけ消臭や除菌やシャンプーや防虫などのボディケアに関しては様々な素材で作られた製品があり、これらは素材の性質をきちんと踏まえて適切な使い方をしなければなりません。
さらにはペットの種類や産地によっては「やって良いこと悪い事」がありますので、ケア剤の原料や製法や特性を知らずして対応することはまず無理です。
しかしながらペットの専門店であるプロショップにおいてこれらの知識が得られる機関や情報源は皆無に近く、極端なケースでは全く誤った使用法を推奨している場面すら見受けられるのが実情です。
したがって、私の日々の活動はブログのタイトルにもありますように、大仰に言えば間違いだらけのペットケアを正すための啓蒙活動とも言えます。
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●下記は私が実際にペットショップで用品セミナーを行う場合のレジュメです。
~プロショップのための用品セミナー~
悪臭の原因と的確な対策、及びボディケアの基礎知識
講師 植物科学研究所インクス 代表 加来 匠
●ペット生活の様々な悪臭要因を知る
1. 悪臭の最大原因は生体にある(生体悪臭80% 蓄積尿臭20%の事実)
2. 犬種別の悪臭要因や疾病(粘膜疾患・皮膚疾患)との関係
3. 耳が匂う、目が匂う、鼻が匂う、口が匂う、そして・・・部屋が匂う。
4. 現在主流の空間消臭スタイルは、ペット悪臭においては無意味に近い
●消臭剤の種類と効果的な使用法を知る
1. 植物系消臭剤 (即効性がメリット・生体清浄・空間消臭向き)
2. 鉱物系消臭剤 (持続性がメリット・壁、床向き)
3. 微生物系消臭剤 (糞尿分解持続性がメリット・トイレ回り、屋外向き)
4. 塩素系除菌剤 (殺菌力がメリット・器具、施設向き)
A.空間、及び設備の消臭と、生体の消臭を分けて考える
B.生体消臭に使用できる消臭剤の分類は限られてくる
C.殺菌剤・除菌剤・塩素系と植物系及び微生物系消臭剤との併用は避ける
●犬猫の種類による健康阻害の実情
1. 外国産種と日本の気候やバクテリアとの関係
2. 種別のウイークポイント(種の特性)と対策
3. 外国犬種に皮膚病が多い理由
4. なぜ涙焼けがおきるのかメカニズムを知る
●防虫商品を考える
1.事実(飼育現場の現象)に基づいた効率的なケア
2.予防と駆除は別物、正しい観念を身につける
3.効率のよい駆除法、正しい予防法
4.農薬系製剤からの脱却、手作業駆除の見直し
セミナー実績
●ショップ実績
ショップ名
テーマ
ペットのコジマ 全44店舗(関東)
プロショップセミナー
ペットのコジマ 用品担当者会議(50名参加)
プレミアム商材について
ペットワールドアミーゴ32店舗(中国地方)
プロショップセミナー
アイドル3動物館9店舗(三重県)
プロショップセミナー
ペットショップ バウワウ3店舗(福井県)
プロショップセミナー
犬の家 8店舗(三重県)
プロショップセミナー
ジョイフルホンダ ペット部門10店舗(群馬県)
消臭TPO
エンチョー 「用品担当者会議」21店舗(静岡県)
消臭TPO
ペットのコジマ トリマー研修会60名
外国犬種と皮膚疾患
ペットランド 全6店(千葉県)
プロショップセミナー
ペットのコジマ 09年度新入社員研修会60名
命を扱うビジネス
ペットシティ 5店舗
プロショップセミナー
ジャペル プロコレクションセミナー会場(3期連続)
プロショップセミナー
ジョイフルホンダ「用品担当者会議」20名
プレミアム商材について
ひごペット 12店舗(関西圏)
プロショップセミナー
※上記は2010年までの実績で、各ショップ様において繰り返し5クールほど行なっております
●地域・コミュニティー
※津市わんわんマナー大会 「間違いだらけのペットケア」300名
※品川ワールドシティタワーズ管理組合主催「人とペットのより良い共生勉強会」獣医師と共同で(東京都港区200名)
※株式会社プロミクロスにて「獣医師のための用品セミナー」デモンストレーション
ざっとこんな内容ですが、講義を受けられたショップスタッフの皆さんがペットオーナーにより正しい知識を持ってケアのアドバイスが出来るように、私自身も日々知識を深めるべく情報収集に努めています。
下記は私が代表を務めるケア剤メーカーINXnetworks製品のCMも多分に含まれますが、セミナーを受講されたトリマーさんの素直なレポートとなります。
K店 O川さんのレポート 2007/10/20
「スーパーピュアラ勉強会」レポート
スーパーピュアラは植物科学研究所で作られた物で、インクス代表の加来さんが、ご自分のペットに使用しているうちにペット仲間に広まり、広島で評判になり、良いものを自分たちだけで使っているのはもったいないと言う事で商品化されたそうです。
①『スーパーピュアラ』…は
120種の植物エキス+クラスターの小さい「活性水素イオン水」だけで出来ています。
②『植物エキスを材料とする普通の消臭剤』…は
一般的に、合成界面活性剤を「溶解剤」として使用しています。
合成界面活性剤は洗剤としての能力も高いけど、動物のタンパク質を溶かす性質も持っています。だから、体に直接使うと、皮脂の過剰な除去や、皮膚常在菌(必要菌)を無駄に死滅させ、皮膚の抵抗力を弱めたりもします。
また、浸透性・毒性・残留性もあり、体内に蓄積されるとホルモンバランスも崩すことでも知られているようです。川や海に流れ込むと、環境汚染物質である「環境ホルモン」と言う有害物質の一部となっているようです。
③「植物系消臭剤商品」を選ぶときに大切なのは、「環境消臭用か?」「生体消臭用か?」を見極めることです。コツは成分を必ず見る癖をつけることです。生体用は化学合成剤では無い、天然素材のみのものがベストです。界面活性剤を使用しているかどうかは、ボトルを振ってみて泡立つかどうかが目安になります。
④スーパーピュアラは化学合成物質を使っていないので泡は立ちません。高機能の水と、特殊な抽出法で抽出された植物の栄養素だけ出来ていますから、目や口に入れても、どこに吹きかけて安全ですし、ビタミン類を体に活かす事が出来ます。
⑤目ヤニ・涙焼け…
涙焼けはすぐに消えませんが、新しい被毛の発育を促し、悪臭も分解し、粘膜部に付いた雑菌を除去し、涙腺や涙管の詰まりを改善するためのマッサージにも使えます。
⑥漂白系商品…
過酸化水素水など、漂白剤が使用されているので、“目に入れないでください”の表示があります。漂白は一時的な方法で根本解決にはなりません。
⑦口臭・糞尿の匂い…
飲用水適合検査にも合格しているので、安心して口にも使える。歯磨きを嫌がる子など、飲ませても効果がある。楽ちん。
⑧耳の汚れ・匂い…
ただ汚れを拭き取るだけではなく、雑菌による粘膜炎症の悪臭源を除菌し、高い消臭効果で耳周りをきれいにする。
⑨他のイヤー商品の場合…
内耳炎や外耳炎などを「治療する目的の薬剤」を使っているケースが多く、日常のお掃除には向かない。病気になったら病院にいくべきで、日常のケア向きではない。
⑩散歩の手入れ…
外で付く雑菌から皮膚を守る。地熱や石などで痛んだ肉球をケアできる。ブラッシングにも還元水効果で静電気が立ちにくく、植物ビタミンで化粧水レベルのヘアケア・スキンケア効果がある。
⑪他のブラッシング商品の場合…
合成界面活性剤が入っていることがほとんどなので、一見毛並みが良くなるようで実は皮膚には余りよくない。肉球をケアする場合、水道水のみでは残留塩素のせいでひび割れに繋がることが多い。
と言う事で、スーパーピュアラは業界初の「総合健康スプレー」「合成界面活性剤も防腐剤も使っていないグルーミングスプレー」と言うことになります。
一時的な効果を示す様々な商品を集めて買うより、根本的な解決に繋がる、安心・安全・健康・美容・消臭・除菌できるスーパーピュアラの方が経済的。
グルーミングやお手入れと言う、日常の“ケア”には「薬剤」を使わない。薬剤は病気になってはじめて使うもの。“病気になる前に、病気を阻止する方法”を教えるのがプロの仕事で、それには現在スーパーピュアラが選択のベスト。
また、消臭剤・除菌剤だけの話ではなく、殺虫剤や農薬を使用した「スポットオン」などの話もあり、アレスリンやフェノトリンは妊娠中の犬猫に使用すると胎児に発育障害がある話とか、蚊避けスプレーに含まれる「ディート」などは、人間の子供の死亡例さえあると聞きました。
また、湿度の高い日本の気候に対して体が構造的に向いていない海外産のペットの話や、それが原因(生体の悪臭)で家庭内に悪臭があることや、皮膚疾患になりやすいということが勉強できました。
有害物質からペットを守り、日本の生活に適応させる。プロショップのスタッフとしての正しい知識や心を学べたように思います。これからはこれらのことを頭に入れ、お客様に適切なアドバイスが出来るように心がけて行きたいと思います。
スーパーピュアラ勉強会レポート 専門用語の解説
① 活性水素イオン水(正確には、プラチナ還元高活性水素水)
スーパーピュアラに使用されている水は、植物エキスの栄養素や薬効成分を効率よくペット生体に吸収させるために特殊な製法で作った水です。自社コード名「α3000」と言う水で、貴金属のプラチナやトルマリン鉱石や珊瑚化石を使用したフィルターを通過させて作ります。水の分子を200分の1程度まで小さくし活性水素濃度を高めた水ですから、悪玉活性酸素を中和させ静電気も立ちにくく、スプレー時にはマイナスイオンも発生させますので、美容水としての能力をも持ちます。
② 合成界面活性剤
いわゆる「洗剤」です。石油から作られ、脂肪や油分の分解などの能力が高いものですが、同時に動物性蛋白を溶かす作用(たんぱく変性作用)も持ち、浸透性・残留性・毒性がありますので、ペット生体への直接使用(すすがない、着けっぱなし)では必ずと言って良いほど健康被害をもたらします。アトピーや皮膚荒れの原因物質にもなっています。
③ 溶解剤
合成界面活性剤の事です。一般的に植物由来の消臭剤に多く使われています。植物エキスを水で割る(希釈する)目的で製品に使用されています。ボトルを振ると泡立つ事で使用の見分けをつけることが出来ます。
④ 環境ホルモン
合成界面活性剤など、環境汚染物質が川や海へ非常に微量に希薄に溶け込んでいるわけですが、これらは人間をはじめとした動物の健康を脅かし、特に男性ホルモン、女性ホルモンなどのバランスを崩すことで知られています。これらの汚染物質を総称して「環境ホルモン」と呼ばれています。
⑤ 皮膚常在菌
人間や動物の皮膚には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌 をはじめとする、たくさんの「皮膚常在菌」がいて 、私たちの皮膚を守っています。私たちの皮膚がツルツル、スベスベしているのはそのおかげです。皮膚常在菌は皮膚の表皮にいて、脂肪を食べて脂肪酸にしているので、肌は「酸性の膜」に包まれて、非常に丈夫になっていますが、抗菌グッズは皮膚常在菌をいじめ、酸性膜をつくれなくしてしまうのです。
⑥ 植物系消臭剤
ホームセンターの消臭コーナーに並ぶスプレータイプの消臭剤の80%が植物エキス由来で作られています。(例:ファブリーズ→トウモロコシ)即効性があり空間の消臭に向いているからです。
⑦ 環境消臭
ペット生活に悪臭はある意味付き物です。解決方法は二種類で、部屋の空間や床やカーペットに染み付いた匂いを消臭する「環境の消臭」です。もう一つはペット本体(生体)を清潔及び健康にして悪臭を発生させなくする「生体の消臭」ですが、一般的な消臭剤は前述の「環境消臭」が目的で、ペット生体に直接使用するものではありません。
⑧ 生体消臭
生体悪臭の原因は主に、耳・目・鼻・口などの粘膜部分の「不清潔」が原因です。
生体消臭を実現させるには、「安全性」が最も重要ですが、現存するイヤークリーナーやブラッシングスプレーなどには合成界面活性剤や、疾病治癒のための「薬剤」などが使用されており、日常のケアには不向きだと言うことがいえます。
⑨ 漂白剤
市販されている「涙やけ除去剤」の主成分を見ると「過酸化水素水」「塩化ベンザルコニウム」など、いわゆる「漂白剤」が多く使われています。したがって度重なる使用では眼球などを痛める恐れがあります。
「染まった毛を漂白する」より「染まらないようにケアする」事が本来の姿でしょう。
⑩ 飲用水適合検査
スーパーピュアラに使用されている水「α3000」は安全性に万全を期し、水道法20条に基づく飲料水としての適合検査を受けています。「なめても安心」というレベルではなく、飲んでも安心を実現させました。
⑪ 粘膜炎症
目ヤニや耳ダレは、粘膜部に雑菌が取り付き、軽い炎症を起こしている状態でもあります。これらは非常に悪臭を放ち、ペット悪臭の最大原因となっています。犬種によっては(冬毛:アンダーコート)換毛が少ない種類もあり、高温多湿の日本では梅雨時期に皮膚炎を発症する犬種も少なくありません。ダックスフントなど耳の垂れた犬種などは特に内耳炎・外耳炎が危ぶまれ、日本での飼育では一生のうち60%が発症すると言われています。
⑫ 残留塩素
水道水は殺菌のために塩素を使用しています。この塩素が水道水に残っている状態を「残留塩素」と呼びます。毒性はほとんどありませんが、皮膚の敏感な女性がシャワーの際に皮膚が赤くなったりするのは塩素のせいだと言われています。また、犬などの場合は外出から帰って水道水だけで肉球を拭くとひび割れを起こしやすくなります。
⑬ 防腐剤
防腐剤(ぼうふざい)とは、微生物の侵入・発育・増殖を防止して、腐敗・発酵が起こらないようにする、「静菌作用」を目的として使われる薬剤で「安息香酸ナトリウム」などが有名です。
スーパーピュアラは多数の植物エキスが同様の機能を発揮しますから使用しておりません。
⑭ アレスリン
⑮ フェノトリン
⑯ ディート
いずれも「殺虫」「防虫」を目的とした化学合成物質です。
アレスリン・フェノトリンは「ノミ取り用品」(スポットオン・首輪・ノミ取りパウダー)の多くに使用されている「合成ピレスロイド」と言う薬剤です。
防虫効果は非常に高いのですが、反面、犬や猫に対する反作用・副作用(吐き気・めまい・食欲低下・癲癇症状)などの報告例もあり、獣医師ではそれらを避けて「フロントライン」と言う、副作用が全くないものが使われています。
ディートは湾岸戦争時に米軍が開発した強力な防虫剤で、現在でも野外用の虫除けスプレーなどに多く使用されています。しかし、ディート使用による皮膚障害の後遺症で苦しむ米軍兵士が多く居る事も知られている事実です。
私の活動(ボディケアセミナー・正しいペットケア知識の啓蒙)は基本的に無償行為でありますので、製品の販売に則した形で並行して行わざるを得ないのですが、今後はこのブログをも通じて少しでも多くの方へ正しい知識が広まれば幸いです。
次回は「塩素系消臭除菌剤の知識」について書いてみます。
塩素系剤はペットケアに欠かせない優秀な性質も持ちますが、取り扱いを誤ると危険な側面も持ち合わせますのでぜひご覧ください。