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2013年01月

消臭を考える①

私がこの仕事(ペットケア)に携わって一番疑問を感じたのが消臭問題であり、とりわけ消臭剤のあり方でした。

現在国内のペットショップの消臭剤コーナーへ行けば 多数の消臭剤が並んでいます。
ホームセンターなど大型のペットコーナーでは 実に30銘柄以上の消臭剤を見ることができます。
これは同じ先進国でも欧米のペットショップではまず見ることのできない、一種異様な景観でもあります。

それだけ我々日本人はペット悪臭に関して神経質であることの証明なのでしょうが、それにしても何故これほど多数の銘柄が必要なのか疑問を感じてしまいます。

食品(ペットフード)ならテイストや、体質(犬種なども)や年齢に応じた栄養素等のバランスが異なるものが必要でしょうが、「臭いを消す」という単一な目的のみであれほど多数の銘柄が陳列してあるのは消臭剤だけであり、ペットビジネスの七不思議ともいえるでしょう。



消臭剤の仕組みとは?

私は仕事柄、消臭剤や除菌剤を見る際に、どんな素材を使ってどういうメカニズムで消臭が行われるのかを考えます。

そうするとペットショップに並ぶ多くの消臭剤の原材料が植物由来であることが分かります。
コーナーに30銘柄あるとして、約28銘柄までが植物エキスを主原料で作られたもので、残り2銘柄が塩素製剤やバクテリア機能剤です。

使用されている植物は、茶(カテキン)、ヒノキ(針葉樹系)、トウモロコシや籾殻(農産物系)など多彩ですが、植物由来原材料が90%を占めること自体は不思議ではありません。それはすべての植物が元来消臭機能を持ち合わせているからです。



そもそも地球環境(大気や水)は数十億年かけて微生物(光合成菌)や植物が作り上げてきたものです。

我々動物は呼吸や排泄などで日常的に大気や水を汚染しますので誰かがお掃除しないと地球環境は一気に悪化し、生物が住めない悪環境になりますが、これらの環境汚染を次から次に分解し元の状態に戻すのはやはり微生物や植物なのです。


特に植物は大気(空気)を再生産することで知られていますが、その過程のひとつとして大気中に放出された悪臭(汚染)も分解するわけです。


また微生物(バクテリア・菌)の方は、動物の排泄物などによる土中汚染や水汚染を分解し、元の状態へ戻すことを担っているのです。




ショップで販売されている多くの消臭剤はこの植物の働きを利用したものであり、製造法も簡単で量産が出来やすい事から多用されていますし、何よりスプレーすると即座に蒸散蒸発して「空気中の」悪臭を分解するのが特徴です。






●以下は私がショップセミナーを行う際に使用しているレジュメです。
●消臭剤のタイプごとのメリットを箇条書きにしてあるのをご参考ください。



~プロショップのための用品セミナー~

悪臭の原因と的確な対策、及びボディケアの基礎知識

 
             講師 植物科学研究所インクス 代表 加来 匠 

 

 

  ●ペット生活の様々な悪臭要因を知る

   1. 悪臭の最大原因は生体にある(生体悪臭80% 蓄積尿臭20%の事実)

   2. 犬種別の悪臭要因や疾病(粘膜疾患・皮膚疾患)との関係

   3. 耳が匂う、目が匂う、鼻が匂う、口が匂う、そして・・・部屋が匂う。

   4. 現在主流の空間消臭スタイルは、ペット悪臭においては無意味に近い

 

  ●消臭剤の種類と効果的な使用法を知  る

   1.   植物系消臭剤  (即効性がメリット・空間消臭向き)

   2.   鉱物系消臭剤  (持続性がメリット・壁、床向き)

   3.      微生物系消臭剤 (糞尿分解持続性がメリット・屋外、外飼い向き)

   4.   塩素系除菌剤  (殺菌力がメリット・器具、施設向き) 

 

   A.空間、及び設備の消臭と、生体の消臭を分けて考える

   B.生体消臭に使用できる消臭剤の分類は限られてくる

   C.殺菌剤・除菌剤と植物系及び微生物系消臭剤との併用は避ける

 

  ●犬猫の種類による健康阻害の実情

    1.      外国産種と日本の気候やバクテリアとの関係

    2.      種別のウイークポイント(種の特性)と対策

    3.      外国犬種に皮膚病が多い理由

    4.      なぜ涙焼けがおきるのか?

 

 

   ●防虫商品を考える

    1.事実(飼育現場の現象)に基づいた効率的なケア

    2.予防と駆除は別物、新しいシェアを生み出そう

    3.効率のよい駆除法、正しい予防法

    4.農薬系製剤からの脱却










ペット悪臭のメカニズムは?
 

今度は消臭剤の成り立ちから離れてペット生活における悪臭の原因を考えてみます。
それはズバリ「生体そのものが放つ」ということが意外に認知されていません。

私は約300件の室内飼育ケースで調査をしましたが、特に犬の場合悪臭原因の約80%が犬本体にあり、残り20%が排泄物(主に尿)によるものと判明しました。


少し掘り下げて説明しますと、耳が臭う、鼻が臭う、目が臭う、口が臭う、体が臭うなのです(何故そうなるのかはまた別の機会で解説致します)

そしてこの悪臭因子そのものが室内をうろつき、結果として室内の空気に分散されて「部屋が臭う」という結論に至るわけです。





さて、前述した「ペット悪臭の原因の80%は生体にある」という事を踏まえて考えると、まずやるべき消臭作業は清掃であって、決して「消臭スプレーを吹きかける」ということではないと理解できるはずです。

一番の悪臭原因となっている目や鼻や耳や口の掃除の方が第一義だということなのです。
そしてそれはとりもなおさずペットの健康の維持に直結することであり、ペットオーナーがやらねばならない日常作業なのです。


この「清掃作業」はシャンプーとは異なります。
シャンプーは被毛のある動物は人ほど頻繁に行うことは出来ません(参考:人、動物、進化の過程)ので、我々が日常的に顔を洗ったり手を洗ったりする事と同意義の日々必要な作業と思っていただければ間違いないでしょう。







生体用の消臭剤とは
 

さて、これまでの話の流れを踏まえてもう一度ペットショップの消臭コーナーを見てみましょう。
驚いたことに、生体清掃に適した消臭剤は全体の一部(ともすればゼロ)しか置いてありません。

さらには「生体専用」との表示があっても、注意事項を読んでみると「目や口には入れないように注意してください」「誤って目に入った場合は直ちに流水で洗い流し、獣医師に診てもらいましょう」と書いてあります。

これは正に本末転倒といえるでしょう。
悪臭の原因が目や鼻や耳や口にあるというのに、そこが掃除できないようでは生体専用とは言えないのではないでしょうか?




ペットの消臭の第一義はまず体の清掃。
第二義はトイレの清掃。
第三義になって初めて床や壁や空間の消臭が必要であることを改めて認識する必要があるのです。






消臭を考える②(近日中に更新します)に続きます。







  ◆参考製品 インクスネットワークス
  スーパーピュアラ
  ピュアサイエンス
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            消臭、除菌、スキンケア、ヘアケア、4大効果の天才スプレー。
            ボトルの中で魚が飼えるほどの安全性が本物の証です。




















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