室内での熱中症による死亡事故
サモエドやハスキーなどの北方原産種が暑さに弱いのを知っている方は多いのですが、基本的にほとんどの種が30度以上の室温では耐えられなくなりますので注意してください。
つい先日もミニチュアダックスが部屋で留守番中に熱中症で死亡する事故が起きています。
死亡したダックスは居間で留守番をしていたのですが、原因は「人感センサー付きエアコン」のセンサーが誤作動して切れてしまったために起きた事故でした。体温が40度まで上がり、入院三日後に亡くなったようです。
メキシコ原産のチワワなど比較的暑さに強い種なら何とか耐える事もできますが、ヨーロッパ種やまして北方原産種などは日本の夏の閉め切った室内の温度に長時間耐えられず、比較的簡単に死に至ったりします。
人感センサーはヒトくらいの体積の動物が室内に居れば感応してエアコンが自動的に作動して温度調節をする仕組みになっていますが、ミニチュアダックスやそれ以外の小さな動物ではセンサーが「ヒトが居る」との認識はせずに運転を中止するようですので気をつけましょう。留守番をさせる場合は人感センサーをオフにして手動でエアコンをON状態にしておきましょう。
動物として、種の特性を知っておきましょう
本ブログでも何度も取り上げていますが、これが犬猫に対する日常的な飼育の大きな盲点の一つの現れなのです。
ネコ科は発祥そのものがアフリカなどの熱帯地方が起源ですからまだ比較的暑さに強いのですが、イヌ属の発祥起源は北アメリカです。要するに風雪に耐えられるオオカミの身体構造が基本的に備わっているほ乳動物なのです。
一般的にペットショップでは観賞魚や小動物では購入の際に担当者が「適正生活温度」「適正生活湿度」「適正pH」などを購入者にレクチャーし、ヒーターやクーラーや加湿器などの必要性と日々の管理を丁寧に教えてくれるのが常ですが、犬猫に関しては購入時にほぼまるでこれらの説明がありません。
前述したハスキーやサモエドなど特殊な北方種ではさすがにどのショップでも「暑さに弱い」との注意をなされていますが、それ以外の種に関してはほとんど注意事項として教えてもらっていないのが現状です。
特にシーズー、パグ、フレンチブルなどの短頭種は暑さに弱いので気をつけましょう。
そしてこれは犬だけではなく、猫においてもペルシャ猫など同じ短頭種は暑さに弱い事も覚えておきましょう。
改めて書きますが、日本の6月から9月は亜熱帯気候なのです。タイやバンコクなどの東南アジアとほぼ同じ、高温多湿の気候なのです。少し考えてみれば分かりますが、これらの国々やアフリカ原産の犬を見た事があるでしょうか?よほどのマニアでもない限り頭に浮かばないでしょう。比較的知識のある私ですら思い浮かびません。したがって、犬のほとんどがこの亜熱帯気候の暑さには耐えられないと言っても過言ではないのです。
日本の夏では犬の飼育環境にエアコンは欠かせないと覚えておきましょう。
自分が扇風機だけで耐えられたとしても、私たちは日本人ですから日本の高温多湿に適応出来る体を持っているだけで、愛犬もそうだとは限りません。最低限でも除湿モードにして置くなどの配慮は必須なのです。
特にペットショップの方達にはこれらの基本的な知識を身に着けていて欲しいものです。
参考
猫の熱中症
犬猫熱中症対策のまとめ