消臭剤のタイプと機能を知ろう
ホームセンターのペットコーナーやペット専門店の棚に並んでいる消臭剤の大部分は植物由来の消臭剤です。主立ったところをざっと並べて使用材料及び成分を見てみると以下の通りです。
a社: トウモロコシ、除菌成分(有機酸など)
b社: 緑茶乾留エキス、ショウガ乾留物、グレープフルーツ種子、除菌剤
c社:グレープフルーツ種子成分、さとうきび成分
d社:両性界面活性剤、緑茶エキス、除菌剤、香料、エタノール
ご覧のように各社植物エキスをベースに除菌剤や銀イオンや界面活性剤やエタノール等を配合して、ペット周りの布製品や床などに染み付いた匂いを取る工夫をしています。
ではなぜ植物なのか?ということですが、これは消臭を考える①で述べたように、すべての植物が元来消臭能力を持ち合わせているからです。
簡単に説明すると、植物も我々動物が汗をかくのと同じように、地中から吸い上げた水分を幹や葉や花びらから蒸散(放出)させていて、これらに含まれる成分が大気中の汚染物質等を分解して元の「空気」に戻す(再生産する)性質を有しているからです。
蒸散された植物の成分は完全に蒸発する過程において秒速80mのスピードで360°方向へ拡散し、汚染物質を捉まえて炭酸ガスや水へと変換させているのです。
そしてもう一つの機能としては、植物の大部分はそのエキス内に除菌力をも有しています。
昔おばあちゃんがお茶の葉を畳の上に撒いてほうきでお掃除していたのはこの機能を上手に利用した正しい知恵の産物です。
一般的な植物系消臭スプレーは、これらの機能を持った植物エキスに、さらに除菌力に優れた合成界面活性剤(中には石油由来合成剤も)などの化学合成剤を添加してより強力な形にしてあるものがほとんどです。
そしてこれらのスプレー式植物系消臭剤がもっとも効果的に思われる理由に「即効性」と「空間消臭力」があります。これは先に述べたように、植物エキスをスプレーで噴霧すればそれは空間へ蒸散されて室内の悪臭因子を捉えて即座に分解するからです。
従って、植物エキス系は様々な素材で作られている消臭剤の中でももっとも空間消臭に向いているという事は言えます。
ここで少し想像してほしいのですが、我々ヒトの嗅覚はどれぐらい優れているでしょうか?
消臭スプレーを噴霧して「消えた」と思っているのは、実は自分の顔周りの空間が消臭されているにすぎないのです。
そしてこれがペット生活悪臭に対してどれほどの実勢効果があるかはお使いになられた方は分かるはずです。決して根本解決にはなってはおらず、一時的に空間が消臭されているに過ぎないのです。
だから数時間経てばまた臭い始めます。
(ペット悪臭の大部分はペットの生体が原因。だから現在主流の空間消臭は無意味に近い)
何より、私個人はこういった化学合成剤で作られた植物系消臭スプレーを室内で噴霧して消臭をする事はお勧め出来ませんし、我が家では使いません。
ほとんどの製品に使われている「除菌成分」「活性剤」「防腐剤」などは間違いなく化学合成されたものであり、これらを「床に吹くから大丈夫」「布に吹くから大丈夫」と思われるのは早計です。
スプレーされたミストは確実に微量であっても呼吸する事で体内に取り込まれるからです。
因果関係が臨床で実証されたものではありませんが、これらが体内に取り込まれて健康に良いわけがありません。
花粉症などの症状は「免疫機能を壊された」末の症状であり、元来敵では無いはずの杉花粉などに異常に反応するわけですが 、原因は排気ガス(石油由来)を始め私たちの生活にあふれるさまざまな化学物質が原因である事はほぼ間違いの無い現実なのです。
杉花粉だらけであるはずのアラスカやカナダや中国奥地の山岳地帯に住む人たちに花粉症がほとんどない事を見ても分かるはずです。
すこし話題から逸れてしまいましたが、重要な事はペット生活における悪臭の最大原因は何か?という事です。そしてその悪臭に対して、何を?どのように?適用すれば解決するのか?という方法論と素材の選択が必要なのです。
次回は現在ペットシェアで大人気の「塩素系消臭除菌剤」について解説してみます。
今まで消臭剤について詳しく考えたこともなくなんでも臭いと思われる場所に色んな消臭剤をふりかけていました・・・。
最近、身体にはピュアラ、トイレ周辺や部屋にはバイオバニッシュを使用しております。わんこ部屋の臭いが薄れてきました。どんな高価なものを使用しても使い方を間違えていては損しちゃいますね。次の更新も楽しみにしております(*´∀`*)