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ペット

Q&A No2「オススメ消臭剤は?」

皆さんの疑問質問にお答えします。


Q.投稿者 茨城県 磯山さん

[ お問い合わせ内容 ]
16歳ゴールデンレトリバー(オス)最近立ち上がりが思うようにできず、小水を漏らすようになり臭い(身体及び周囲)がひどいのですがお勧め品と購入方法をお願い致します。


A.タク所長
磯山さん、お問い合わせありがとうございます。

お尋ねの状況から判断して、まず二つの考え方をする必要があります。
一つは「体の清掃」であり、もう一つは「環境の清浄化・消臭」です。
そしてこれらは、一種類の製品で解決のつくものではありません。


◆体に直接使用する消臭剤とは

特に体の清掃を考えた場合、一番重要なのは「安全」であり、皮膚や粘膜部分に直接使用できる作りの物で無ければ意味を成しません。

例えば、単なる消臭剤で体の清掃をすればそれなり(製品なりに)に消臭はできますが、ほとんどの消臭剤には合成界面活性剤や安息香酸ナトリウムなどの防腐剤が入っており、とても毎日の清掃作業に向いているとは言えません。

また最近は塩素系の消臭剤も人気で、強い除菌力と、除菌後に水に戻る性質が特徴なのですが、私たち人間や犬猫などの動物の皮膚の表面には有用菌である「皮膚常在菌」が必須であり、これらのバクテリアが皮膚表面に常時「脂肪酸の膜」を形成してガードゾーンとなっているわけです。

したがって、「目に入らないようにする」「飲ませないようにする」という表示のあるものは、基本的に毎日の体表清拭には向かないことを念頭に置いてください。



この場合おすすめする商品は以下のものとなります。

スーパーピュアラ350ml(マルチボディスプレー)活性電解水使用
ピュアラ/ボディフレッシュナー350ml(ニューボディスプレー)活性電解ミネラル水使用
ピュアサイエンス400ml(ハイエンドボディスプレー)プラチナ活性電解ミネラル水使用 


いずれも複数(約120種)の植物ビタミンで構成され、化学合成剤や防腐剤とを一切使わず、高機能の精製水で割って作られていますので、消臭のみならず、スキンケア・ヘアケアまで果たすように作りました。

上から順にスキンケア能力を高く作っています(肌への浸透性が高い高機能水)が、消臭力と安全度はいずれも同じです。




◆環境用の消臭とは

ペットショップへ行けば沢山の消臭剤が並んでいますが、80%は植物原料であり、残り20%が塩素系剤などです。

植物原料の消臭剤の良いところは即効性であり、空間(空気)の清浄です。
これは植物が持つ本来の姿で、大気の汚染を常に分解して新しい空気を作っています。
基本的な消臭能力は「植物エキスは蒸発する際に空中に拡散され、秒速200mで弾ける瞬間に空間の汚染物質を分解する」というものです。

したがって、床や壁などの構造物に染み込んだ汚染に対してはその消臭力は表面だけにしか働かず、蓄積された汚染は分解されません。室内の空気はほぼ一瞬で消臭されますので「効いた」と思われがちですが数時間経過するとまた室内が臭く感じられることになります。

塩素系消臭剤に関しては、これは強い除菌力を持つものがほとんどです。
例えばシャーレにパルボウイルスを10の6乗(約600万個)植え、そこへ塩素系消臭剤をスプレーして10分後には生菌数ゼロというデータもあるほど除菌力は高いのですが、これも10~20分程度で水へ戻る性質を持ちますし、これも乾いてしまえば仕事はそこで終わりですので、構造物へ染み込んだ汚染に対しては効果が薄いといえます。




この場合おすすめする商品は以下のものとなります。

バイオサイエンス200ml
ピュアラ/バイオバニッシュ(プレミアム)350ml


どちらもバクテリアコントローラで光合成バクテリアを利用するタイプですので、構造物の奥深くまで染み込んだ汚染に対して効果的です。

コントローラが室内に存在する光合成菌(主にシアノバクテリアで人畜無害)を増殖させ、尿の成分である尿酸・尿素・タンパク・脂肪・脂肪酸などを継続的に分解させます。

約5日間機能しますので、5日に一度のスプレーで消臭できる実質経済的なロングランタイプです。
また、バクテリア利用消臭の欠点である「遅効性」をカバーするためにニームオイル(ハーブオイル)をブレンドし、周辺の空気を一瞬に清浄化させるマルチ方式を採用しました。





ご購入に際しましては、各商品名でネットショップにて検索ご購入していただくか、実店舗(各地ペットショップ)に関しましてはインクスネットワークスお客様相談室( TEL 082-232-3245 )までご連絡下さい。







気候風土と犬種 チワワ篇

チワワは寒がりさん

現在日本国内でもっとも人気の高い犬種と言える、可愛らしさ満点のチワワ。

ペットショップでは原産地の表示がメキシコと書かれていますが、 アステカ文明の王朝で飼われていたテチチという犬が原種のようで明確な起源は分かっていないようです。

飼育に際しての注意事項は幾つかあり、チワワで検索すれば人気犬種だけに沢山の記述が見られますが、私からまず申し上げたいのはこの犬の「体の大きさ」です。

事実上世界最小犬であり、イヌ科 としてはほぼ限界の小ささなのです。
したがって限界の小ささならではのウィークポイントは当然出てきますが、一番気をつけなければならないのは小さいが故に熱エネルギーが出にくいという特徴です。

わかりやすく言えば寒さに非常に弱い。
寒冷地の動物を考えれば容易に想像がつくでしょう。

シカもクマも寒冷気候地ほど体が大きいものなのです。
それは動物が進化の過程で環境に合わせて己の体を変化させてきた「必然」なのです。



私はかつてスピッツとチワワを同時に飼っていたことがありますが、真冬のエアコンで十分暖房の効いた部屋ですらチワワは寒がり、コタツの中へ潜り込んでいましたが、一方のスピッツはコタツはおろか、部屋の中で舌を出してハアハアと暑がり、 ベランダへ出してやると冷えたコンクリートの床へお腹をくっつけてホッとしている有様でした。

一口で犬といってもこれだけの違いがあるわけです。
暑がり犬と寒がり犬を同居させる場合は、飼育者はかなり気を遣う必要が出てきます。

シーズーの項でも書きましたが、シーズーを夏のさなかにエアコンを切った部屋で留守番をさせると当然暑がって大変なストレスになりますが、その場合チワワは比較的平気であり、冬はそれが逆転するわけです。


したがって、日本でのチワワ飼育に関してもっとも気をつけるべき季節は 「冬」です。
室温の管理を始め、ヒーター付きベッドや、外出時には 暖かい服を着せるなどファッション以前の必要が有るわけです。





次に気をつけるべきは骨格の弱さ。
テーブルの上など、少し高いところから飛び降りただけで骨折を起こしたりします。

「うん。骨が細いからね・・・」

という単純な話ではないのです。
恐らくはテチチ時代(もう少し大きい犬だった)にはそれほど弱くはなかったはずですが、「小さいほど望ましい」という人間の勝手で、どんどん小さく作られた結果なのです。


要するに体重に対して骨格のバランスが合ってない動物になってしまっているということです。
いくら骨が細くても、ネズミなんかは3メーターも上から飛び降りても骨折なぞしないことを想像していただければ、何を意味するのか分かっていただけるはずです。






その他の注意事項


チワワに関してなかなか良いサイトが有りましたので、一部を下記に転載しておきます。


 


肛門嚢炎

気をつけたい症状:おしりを床にこすりつける、おしりを痒がる

肛門付近にある肛門嚢と呼ばれる部分に分泌物がたまり、化膿してしまった状態のことです。

通常、中・大型犬の場合は便の排出時に一緒に出されるのですが、身体が小さなチワワの場合、力が足りずに分泌物がたまった状態になってしまいます。そして、そのまま放置していると化膿しこの病気になってしまいます。

シャンプーのときなど、定期的に出してあげるようにしましょう。溜まる周期などは個体差がありますので、早め早めを心がけておきたいです。

泉門開存

気をつけたい症状:頭頂部が柔らかい

チワワの頭のちょうど真ん中には、指で触ると柔らかくヘコむ泉門と呼ばれている部分があります。通常、泉門は成犬になるまでに閉じると言われてますが、成犬になっても閉じずに開いたままになっている状態の病気です。

家具などに頭をぶつけることがないよう気をつけてあげてください。

水頭症

気をつけたい症状:フラフラする、反応が鈍い、痴呆、まひ、運動失調、視力の低下、食欲異常、無関心、攻撃性の増加

チワワの頭のちょうど真ん中には、指で触ると柔らかくヘコむ泉門と呼ばれている部分があります。この部分に、脳脊髄液(頭蓋骨内部にある脳室と呼ばれる空間にある液)と呼ばれる駅が多量にたまって脳を圧迫する症状のことです。

泉門が開いている犬がかかることの多い病気ですが、全ての泉門が開いている犬が水頭症とは限りません。

すぐに生命の危険がある病気ではありませんが、薬物療法や手術などを行っても完治することがとても難しい病気です。

膝蓋骨脱臼

気をつけたい症状:疼痛、脚を1本だけ上げて歩く、脚をつかなくなる、ケンケンのような歩き方、膝が腫れる、

後脚の膝蓋骨という膝を支えるお皿の部分の腱膜のゆるみやお皿の溝が浅い時に起こりやすく、歩行が困難になる場合があります。

ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈すので気になったときは早めに獣医さんに診てもらっておきたいです。

よくジャンプしたり、高いところに飛び乗ったり、飛び降りたりといった行動には、脚にとても負担がかかるので、あまりさせないようにしましょう。

【グレードⅠ】

膝関節はほとんど正常な状態です。

関節を伸展して指で押すことによって簡単に脱臼が起こりますが、緩めると元に戻る。

【グレードⅡ】

膝関節を屈曲した場合に脱臼が起こり、指で押すか関節を伸ばさないともとの位置に戻らないい状態です。

【グレードⅢ】

膝関節が脱臼したままの状態が多くなります。

患肢を伸展すると時折元に戻ることがある状態です。

【グレードⅣ】

膝蓋骨は脱臼したままになってしまいます。

この段階では、外科的処置を施さなければ整復できなくなってしまいます。

角膜炎

気をつけたい症状:目をこする、涙や目やにが多い、目が白濁・赤くなる

目が大きいチワワに多いのが、黒目を覆う角膜が炎症をおこす角膜炎。チワワは目がクリッと出ているので、目をこすったときや物にぶつかったとき、ケンカしたときやシャンプーのときなどは特に注意が必要。目に入った薬品の刺激が原因になったり、傷がついたりしたのが原因でなってしまいます。

軽症のうちは抗生物質や外用薬で治療しますが、重症になると手術が必要になることもあるので気をつける必要があります。

普段から目に異常がないかチェックしてあげましょう。

低血糖症

気をつけたい症状:ぐったりしている、痙攣

血液中の糖分の濃度が著しく低下してしまいます。特に生後3ヵ月までのパピーのチワワに多くみられる病気です。

主な原因としては、食の細さや栄養不足などによって起こります。身体の小さなチワワにとっては、大きな犬に比べて欠乏や不足が起こりやすく、身体への影響も大きくなってしまいます。毎日のお食事には特に気をつけてあげましょう。

気候風土と犬種 シーズー篇

かわいいペットたちは外国人?!



前回「犬のプロフェッショナル?!」でシーズー犬の特徴について少し触れましたが、もう少し掘り下げてみます。




シーズー犬はチベットのラサ・アプソと云う犬が起源で、そのほとんどの特徴を受け継いでいます。

高山気候で低温低湿度(平均湿度35%の乾燥地帯)で育まれたラサ・アプソは、その乾燥から皮膚を守るために日本犬の柴犬の約5倍も皮脂腺が発達している、脂性の犬であることは前回も書きました。

そして日本には梅雨と云う高温高湿度(最大湿度95%にもなる)の季節があり、 その特徴がアダになるわけです。 こういった動物の身体的特徴は環境に合わせてすぐに進化するわけもなく、1万年~10万年単位の長い年月がかかるのは言うまでもありません。

シーズーにしてもラサ・アプソから特別進化しているわけではなく、単にチベットから連れてこられてわずか400年程度しか経っていないわけです。そして飼育されるのが日本で、高温高多湿の梅雨に何ら対策を施されないのではたまったものではないのです。




「〇〇ちゃん良い子にしててね~」
「今日はみんなで出かけるからお留守番よ」
「いたずらしないでね~!」




こんな感じで 留守番を言いつけ、電気を消してエアコンまでスイッチを切る。
残されたシーズー君はさみしいのは当然なのですが、エアコンを切られた室内はどんどん室温や湿度が上がっていき、 高山気候に対応するために体の表面にたっぷりある皮脂は室内の90%を超えるような高湿度に当たって乳化(ゆるくなります)していきます。

そしてゆるくなった皮脂は長時間のうちに徐々に垂れ下がりお腹付近に溜まっていきます。
そうすると今度はお腹付近の皮膚の皮膚呼吸がスムーズに行われにくくなり弱ってしまいます。
弱くなった皮膚は雑菌等の格好の標的になり、特に人のからだや犬の体に普遍的に存在する酵母菌の一種であるマラセチア菌などは脂質と高湿度が大好きですから大増殖し、結果的に皮膚炎を発症させたりします。 



これがシーズーのウィークポイントのひとつですが、彼らが日本の気候に合わない理由は他にもまだあります。




あなたのワンちゃんは換毛種ですか?



注意すべきは被毛の特徴です。
「換毛種」という言い方が有りますが、夏毛と冬毛が生え変わる種類のことです。

日本には春夏秋冬という特徴的な四季があり、夏と冬の温度差や湿度差には激しいものがあります。
したがって日本に古来より存在するイヌ科の動物(イヌ科の動物は汗腺を持たない)のほとんどは「換毛」します。これは他の動物でも見られますが、皮膚に汗腺を持たない(汗をかくことによって温度調節が出来ない)イヌ科の動物が、日本で暮らしていくための知恵ともいえるでしょう。

例えば柴犬は4月の終わり頃からアンダーコート(冬毛、下毛)が抜け始め、全部とっておけばダンボール箱一杯ほども抜けます。そして秋も深まれば寒い冬に備えてまた徐々にアンダーコートが増え始めます。


要するに冬服と夏服を季節によって衣替えしているわけです。
衣替えすることによって、結果的に温度調節湿度調節をしているわけです。
したがってシーズーを初めとした非換毛犬は梅雨、夏場対策が必須となります。


ちょっと想像してみてください。
梅雨の真っただ中で、エアコンを消して一日中セーターとダウンコートを着ているあなた自身を。

病気にならない訳がない・・・。







さあ、すこしお分かり頂けたでしょうか。
「犬のプロフェッショナル?!」で述べたように、お魚さんや小動物では産地の気候と同じ環境で飼育するようにたいていのショップでは教えてくれます。

しかしこと犬や猫になると、このことがほとんど取り沙汰されないから大変なのです。
こういったことが繁殖家や販売者の間で真剣に研究されていない背景は、商業的問題ではなく、基本的な動物学の認識度が低いことからきているのでしょう。


お魚さんや小動物では環境に配慮しないと商業的に問題が起きるのです。
温度ひとつ間違えれば、湿度一つ間違えれば、PHひとつ間違えれば、仕入れた商品(動物)が死んでしまうからこそ発達した飼育理論や管理技術が根底にあるわけです。




そして一方の犬猫はというと、そこそこの体格を持つ哺乳類であるがために、少々環境が合わなくてもすぐに死に至ることは有りません。

だから結果的に種の持つウィークポイントがどうしてもおざなりになり、種が持つ「質」が原因とも認知し得ないまま、主に皮膚疾患に始まる数々の疾病に悩まされるワンコ達が増えていくわけです。






大事な家族の一員の特徴を知る事はとても大事なことです。
美しく健やかで楽しいペット生活を実現させるために、もっともっと一緒に勉強をしていきましょう。






次回はこの続きで、他の人気犬種も取り上げていきます。









人、動物、進化の過程

犬猫は人より弱い!?




ペットケアを語る上で無視できないのが、製造者、販売者や、飼育者の大きな錯覚です。
誤解を恐れずにはっきり言えばそれらは無知から来る誤解なのです。


①例えば、犬猫は体全体が被毛で覆われているために、体毛がほとんど退化して皮膚が剥き出しになっている人間よりなんとなく強いというイメージ。

②例えば、犬猫は人間より野生動物に近いため、多少不潔な食べ物を食べても大丈夫というイメージ。



もし貴方がペットに対してこういうイメージをお持ちだとするならば、大きな間違いで或ことを知らねばなりません。

今回は上記の①と②に関してお話します。







①人と犬の皮膚構造はこうちがう



皮膚の構造を見てみると、大きく分けて外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で出来ていますが、犬たちは豊かな被毛で覆われてはいますが、実は皮膚(表皮)そのものの厚さは人間の5分の1程度しか無いのです。

表皮の一番外側は「角質細胞層」というものであり、これが紫外線や乾燥や雑菌などから体を守っているわけですが、表皮の薄い犬たちは人に比べてダメージに対してずっと弱く、トラブルを起こしやすいのです。


ヒト(ホモサピエンス)はサル属から進化発展されたと言われていますが、進化の過程で体毛がほとんど無くなったのは数十万年数百万年も大昔の出来事なのです。

そしてその長い過程において皮膚そのものの構造(ガード能力)が進化したのは明白であり、被毛が無くても耐えられる構造となっていったわけです。




一方の犬猫は未だ被毛のある動物ですし、被毛が体の一番外側のガードゾーンであるわけですから、皮膚剥き出しの人間よりも皮膚が弱いのは当然といえます。

だから我々は、この人と犬猫の構造の違いをシャンプーなど体の清掃などの際にしっかりと把握しておく必要があります。



◆皮膚のターンオーバー

人も動物も皮膚は一定の周期で新しく生まれ変わっています。
表皮の一番下にある基底層で作られた細胞は、成長に伴って徐々に皮膚の表面へと押し上げられていき、表皮の一番外側にある角質層まで移動すると、フケとなってはがれ落ちていきます。

この過程をターンオーバー(新陳代謝)といいます。
通常、人の皮膚ターンオーバーは28日サイクルですが、犬の場合は約20日。
脂漏症などの犬では、ターンオーバーが5~10日と極端に短くなっていることもあります。




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上記の図を見ていただくと分かりやすいのですが、犬は人と比べてこの構造がはるかに薄いと思っていただいて間違いないでしょう。

そしてさらに前述したようにターンオーバーの周期が人と比べて極端に短い。
これが犬のシャンプーの適切な周期が2週間から一ヶ月と言われている事と密接に関係しているわけです。


早い話が頻繁に洗浄剤を使ったシャンプーをすると、ガードゾーンが構築されないまま肌が剥き出しで、様々な外的脅威に無防備にさらされるからなのです。

またシャンプーと皮膚科学、皮膚常在菌(必要有用菌)の重要な話があるのですが、また機会を設けて詳しくお話させていただきます。









②人は雑食、犬は肉食+アルファ



犬は基本的に人間と同じ下記図の三大栄養素を必要とする動物ですが、人間より遥かに肉食(高タンパク、高脂肪)の比率が高く、食事のバランスは人間と全く違ったものになります。

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そしてさらに、いまでは常識となっていますが、塩分や糖分の分解能力は人より遥かに低いので、人用の味付けを施したものは禁物ですので絶対に与えないようにしましょう。

そして単純に栄養バランスの話だけではなく、刺激物や、低レベル毒物、雑菌等の経口摂取を考えても、人間はやはり何十万年前、いや何百万年も遥か昔から犬猫属よりも多くの物を経口摂取してきた歴史があり、そういった意味でもそれ等のものに対する耐性が備わっているわけです。







今回はこれ以上詳しい解説は避けますが、概念としては下記の言葉を忘れないようにして飼育にあたって頂きたいものです。




   犬猫の肌やお腹は人間の赤ちゃんよりデリケート




いかがでしょう。


使ってよいもの、いけないもの。
与えてよいもの、いけないもの。
やっていいこと、いけないこと。


これらを考えるキーワードとして、私はあえて申し上げます。
こう考えておけば大筋において判断を誤らない指針となると思われます。





ワンちゃんの食中毒

チョコレートとレーズンに注意!



「チョコレートやレーズンをワンちゃんが食べると体に悪いだろうな」
とは誰しも思うでしょうし、これらを積極的に与える飼い主さんもそうは居ないと思います。

しかし、実際にはほとんどの飼い主さんが危険性の度合いに対する認識はなく、テーブルの上に放置されていたチョコレートやレーズンをワンちゃんが食べるなどして容態が悪くなり、動物病院へ救急外来されるケースが後を絶たないようです。



実はこれはほぼ食中毒の範疇に入る食物事故のレベルなのです。



最近も私の友人である獣医師さんの病院へ単期間に2例チョコレートによる急変でワンちゃんが担ぎ込まれたそうです。その話を聞いた私は早速友人の獣医師にインタビューをしてまいりました。

どういう症状が起きて、どの程度の危険性があるのか?
参考にして気を付けていただければ幸いです。




■以下はS獣医師からのメールを少し分かりやすく整理したものです。



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チョコレートを食べて肝炎と溶血の症状が・・・



チョコレート中毒といっても実はチョコレート自体が悪いわけでなくチョコレートの中に含まれる成分によって問題が引き起こされるわけです。

ではチョコレートの中身は何?ということになります。

テオブロミンとカフェインが中毒物質です。
すなわちこれらの排泄経路が問題になるわけで、糞便中の排泄と尿排泄が経路です。



タク所長注:テオブロミンとカフェインについて(ウィキペディアより)

動物に対する効果

チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインはの量は、人間にとっては害になるほどの量ではないが、犬のようにテオブロミンの代謝速度が遅い動物にとっては害になりうる。

小型犬で50g程度、中型犬で400g程度のチョコレートを摂取すると、犬はチョコレート中毒を起こし、消化不良、過度の興奮、心拍数の低下などの症状が表れる。

てんかん様の発作を起こして死に至ることもある。



したがって糞便に排泄されるのは小腸から吸収されたものが肝臓内で処理された結果として胆汁内に排泄されて糞便に捨てられます。


肝臓内で処理すなわち代謝されることが肝臓に余計な負荷をかけてしまい肝炎を誘発します。
簡単にいうと肝臓の働きすぎです。お酒飲み過ぎも同じですね。
また、腎排泄も腎臓に負荷をかけます。


溶血の理由としては赤血球が脆弱になり壊れて溶血する場合や治療中にDIC(播種性血管内凝固症候群)を起こしたりするからといわれていますが、正確なメカニズムについては明らかになっていません。

そしてチョコレートの種類的には物凄く沢山あり、テオブロミン、カフェインの含有量や含有比率がそれぞれ違うのでなんとも言いにくいのが現状です。
 



レーズンを食べても・・・



病態が良くわかっていないのですが、体重1kgあたり3.11gで腎不全を起こしたという事例もあります。
症状が定型でなく、なんの症状も示さないもの、軽度の消化器症状を呈し(腹痛、下痢、嘔吐)回復するもの
摂取後無症状にもかかわらず急性腎不全に移行するものなどがある。
 
症状24時間以内に発現。即時もしくは遅延嘔吐、嗜眠、食欲不振。下痢腹痛が見られることが多い。
その後乏尿、無尿、脱力、死亡ということがある。
 
出来るだけ速やかな治療が必要。ほとんどの犬が治療に反応すれば(速やかに治療すれば)7日以内に回復する。



タク所長注:犬にブドウ、レーズンはダメ!(埼玉県獣医師会HPより抜粋)

2004年アメリカの動物保護団体ASPCAのAnimal Poison Control Centerはブドウを食べた犬において腎不全の症例がみられるため、注意を喚起する報告をしています。
ブドウを食べたことが原因と思われる中毒症状は1999年から報告されていて、同所でのデータベースにおいて2003年から2004年にかけての140例では食べたブドウの形状は様々ですが、50頭が何らかの症状を呈し、7頭の犬が死亡しています。

症状としてはブドウを食べた後72時間以内に吐き気、下痢がみられ、食欲不振、腹痛や元気消失、脱水などの症状も併せて見られます。数日後には腎不全を呈し長期間の治療が必要になるものや死亡に至るものもあります。

どれだけの量のブドウを食べると腎機能に問題を起こすか検討されましたが、ブドウの量としては 動物の体重1Kgに対してブドウ32g、干しブドウで 体重1Kgに対して11〜30g以上と見られています。また、食べたブドウの形態については、生のもの、干しブドウなど色々な形態のブドウで症状が見られています。

ブドウを食べたことによる腎不全の原因ははっきりしていませんが、カビ毒(例えばオクラトキシン)による汚染、高濃度のビタミンD、または同じような化合物、殺虫剤による汚染、重金属、または他の環境の毒素、まだ見つかっていないブドウの毒素などが考えられます。

海外の事例としての報告であり、原因もはっきりしていません。しかし、小型犬などでは少量のブドウでもこのようなことが起こる可能性があるので、与えないに越したことは無いと考えられます。
また、ブドウを食べた後に下痢や嘔吐などの症状が見られた場合は早急に獣医師の診察を受けると同時に、ブドウを食べたことを伝える必要があります。







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前回の日記では気候風土による体質の差を少しだけ述べましたが、勘違いしやすい事として「人間より犬猫などの動物の方が強い」という錯覚です。


また何かの機会で詳しく述べたいと思ってますが、皮膚一つとっても人間の方が構造がはるかに分厚くて三倍以上もあるのです。そして今回のテーマである食物についても基本的に肉食動物である犬や猫は、人間のような雑食系の哺乳動物のように様々な物質に対しての耐性が有るわけではなく、ともすれば非常に弱いとも言えるのです。

大事な家族の一員の「動物学的特徴」を知ることがペットオーナーの義務であり、より良いペット生活のスタートといえるでしょう。




■終わりに

今回は犬の食に関する注意と喚起がテーマでしたので、犬に食べさせてはいけない食べ物を下記のウエブサイトでぜひご覧ください。


         犬に食べさせてはいけない100の食べ物





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関連サイト
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